7月21日、広島が杉田健投手と支配下選手契約を結びました。2023年の育成ドラフト1位、日本大学出身の右腕です。背番号は50。二軍では25試合に登板して防御率2.70という数字を残しての昇格でした。5月には外野手の名原典彦も育成から上がっており、今季2人目の引き上げになります。
それでも広島の支配下は68人のままです。上限の70まで2枠を残したまま、夏を越しました。9球団が満枠でシーズン後半に入ったなかで、枠を空けているのは広島の2つと、ヤクルト・日本ハムの各1つだけです。
枠が空いているのは、埋める相手がいないからではありません。年齢×ポジション表を開くと、広島の下の層は12球団でも厚いほうだと分かります。24歳以下は22人。内野の平均25.6歳は12球団で2番目に若く、23歳の学年には前川、田村、齊藤ら9人が並びます。投手も22歳から25歳までに常廣、玉村、滝田、佐藤柳、斉藤、辻、日髙と十数人が積まれていて、20歳の菊地までつながる。急いで枠を埋める理由がない、という状態に近い。
ただし、欄によって事情はまったく違います。外野11人の平均は28.1歳で、秋山翔吾(38)、野間(33)、末包と大盛(ともに30)が中心。そこから下は、田村(23)と平川(22)まで学年が飛びます。若い層が厚い球団のなかで、ここだけ形が逆になっているわけです。中村奨(27)、久保、名原、中村貴(いずれも26)が間にいますが、20代前半の在庫は2人しかいません。
もうひとつ、支配下の外国人が4人というのも広島の特徴です。西武と並んで最も少ない枚数で、大型補強で穴を埋める球団ではない。33歳と36歳の学年に支配下がいないという空白も、外から足さずに来た結果として表に出ています。外で埋めない球団にとって、空いた欄を埋める手段はドラフトと育成の2つしかありません。
そう考えると、10月22日に残っている2枠の使い道は、かなり絞られてきます。若い内野と投手はすでに山がある。外野の23歳から26歳あたりに一枚足せば、いまいちばん薄い場所がまっすぐ埋まる。もちろん球団が何を指名するかは公表されていませんし、順位の上のほうで最も評価の高い選手を採るのが通例です。それでも表の形だけを見れば、空いている場所ははっきりしています。
支配下契約を伝えられたときのことを、杉田投手は球団を通じてこう話していました。「ここからがスタートという気持ち」。10月22日に名前を呼ばれる誰かも、同じ場所から始めることになります。育成で3年を過ごしてから上がってきた右腕がいる球団では、その「スタート」の位置は一つではありません。