5月22日、ベルーナドーム。オリックスの4番に、宗佑磨の名前がありました。プロ12年目で初めての4番です。その2日前、ソフトバンク戦で太田椋が右ふくらはぎに死球を受けて出場選手登録を外れ、打線の真ん中がひとつ空いたことによる組み替えでした。
内野手ひとりの離脱が、4番の顔ぶれまで動かす。この連鎖の起きやすさは、年齢×ポジション表を開くと数字で確認できます。オリックスの支配下内野手は12人。12球団で最も少なく、2番目に少ないロッテの14人とも差があります。一方で支配下投手は41人。こちらは12球団最多で、支配下70人の6割近くを投手が占めています。41と12。同じ70人枠の配分とは思えない偏りです。
この12人の中身が、また独特です。太田は2018年のドラフト1位、横山聖哉は2023年の1位。宗は2014年の2位で、廣岡大志が2015年、紅林弘太郎が2019年、野口智哉が2021年、内藤鵬が2022年と、いずれも2位指名です。つまり12人のうち7人が、ドラフトの1位か2位で獲った選手ということになります。頭数を絞る代わりに、指名順位の高い選手で埋める。そういう設計に見えます。
年齢の並びも独特で、西野真弘(36)、大城滉二(33)、宗と中川圭太(ともに30)、廣岡(29)、シーモア(28)、野口(27)、宜保翔(26)、太田(25)、紅林(24)、内藤(22)、横山(21)と、ほぼ一学年に一枚ずつ。平均27.6歳で、世代の切れ目はありません。ただし各学年の在庫は一枚きりです。5月6日の京セラドームでは、紅林、太田、中川がそろってベンチスタートという日もありました。12人という枚数だと、組み替えの幅は自然とこうなります。
内側の控えは育成の6人です。2024年の育成ドラフト1位・今坂幸暉(20)、2025年育成3位の中西創大(19)、清水武蔵(23)、河野聡太(26)、大里昂生(27)、香月一也(30)。若い2人が下から順に上がってくれば、20代前半の層は厚くなります。もっとも、支配下に上げるには誰かが枠を空ける必要があり、投手41人という配分が変わらない限り、内野の椅子は12のままです。
岸田護監督は2年目です。コーチの一軍・二軍の肩書きを撤廃して組織全体で選手を見る体制を敷き、キャンプでは守備力の強化を掲げました。その方針と、内野の枚数の少なさは無関係ではないでしょう。守備位置を固定せず、少数を動かしながら回す前提の編成だとすれば、12という数字は不足ではなく選択ということになります。
10月22日のドラフト会議で、この欄がどう動くか。内野に一枚足すのか、それとも投手の在庫をさらに厚くするのか。どちらを選んでも、翌日の表には答えが出ます。41と12。この二つの数字の距離が縮まるのか、広がるのか。指名の中身より先に、そこを見ています。