12球団のうち11球団には、23歳以下の支配下捕手がいます。いないのは巨人だけです。
年齢×ポジション表の捕手の列を上から追うと、小林誠司(37)、甲斐拓也(34)、大城卓三(33)、岸田行倫(30)、郡拓也(28)と並び、山瀬慎之助(25)で終わります。支配下の捕手は6人、平均31.2歳。うち4人が30歳以上で、これは12球団で最も高い平均年齢です。他球団の最年少捕手は、楽天、ロッテ、日本ハム、オリックスが19歳。西武とヤクルトは20歳で、ソフトバンクは21歳です。巨人の25歳は、ひとつ飛び抜けて上にあります。
ここで断っておくと、これは「捕手が弱い」という話ではありません。むしろ逆です。今季の巨人は開幕から岸田と大城の2人が主にスタメンマスクをかぶり、ベンチに小林と甲斐を置く4人体制を敷いてきました。村田善則バッテリーチーフコーチは7月1日、その狙いを「卓三や岸田のバッティングを生かす。キャッチャーじゃない時にも柔軟に使いたい」と説明しています(Full-Count)。6月終了時点で大城は50試合に出て打率.293、7本塁打。岸田も42試合で打率.268、4本塁打を記録しました。打てる捕手を2枚並べ、経験のある2枚を控えに回せる球団は、そう多くありません。
問題は、その4人が全員30歳以上だということです。2024年12月にFAでソフトバンクから加入した甲斐は、今季は二軍で開幕を迎え、一軍初昇格が6月21日でした。7月1日時点の出場は2試合、先発はなし。層が厚いというのは、裏を返せば、下から上がる席がないということでもあります。
表を縦に見ると、そのことがはっきりします。25歳の山瀬から下、支配下の捕手はひとりもいません。ただし育成には5人が控えています。喜多隆介(28)、亀田啓太(27)、7月に韓国・NCから加入した李健熙(26)、2024年の育成ドラフト1位・坂本達也(24)、そして2025年育成3位の松井蓮太朗(19)。巨人の捕手の若い世代は、支配下ではなく育成の欄に積まれているわけです。数年後の正捕手候補をどこから調達するか、その答えの一部はすでに表の下段にある、という見方もできます。
そのうえで、10月22日があります。2026年のドラフト会議は同日に開催されると、NPBが8月19日に発表しました。今年の大学生には捕手が揃っているとされ、青山学院大の渡部海、亜細亜大の前嶋藍、立命館大の西野啓也といった名前が挙がっています。渡部は高校2年夏に甲子園を制し、大学では1年春から正捕手を務めてきた選手です。もっとも、巨人がどのポジションを指名するかについて球団の公式な言及はなく、そこは断定できません。
言えるのは、表の形が指名の前と後でどう変わるかは、10月22日の夜に誰でも確認できるということです。支配下の捕手の列に25歳より若い名前がひとつ加われば、それは12球団で最後まで空いていた欄が埋まった瞬間になります。
「我々は裏側を見ていますので。その部分もやっぱり戦力ということになりますから」。村田コーチは、出場機会のない捕手の貢献をそう評しました。裏側にいる5人の育成捕手と、これから指名されるかもしれない誰か。巨人の捕手の未来は、いまスタメンマスクをかぶっていない側に積まれています。