横浜DeNAが2026年5月12日、正捕手の山本祐大をソフトバンクへ放出し、投手の尾形崇斗と内野手の井上朋也を獲得する2対1の交換トレードを発表しました。正捕手の放出は衝撃でしたが、年齢構成(デプス)の視点で見ると、DeNAの編成の狙いが見えてきます。トレードから1か月たった今、3選手の「その後」も含めて改めてトレードを見てみます。
トレード前:山本は独立リーグ・滋賀ユナイテッドから2017年ドラフト9位で入団した苦労人です。一軍では2024年に108試合・打率.291・5本塁打・37打点でゴールデングラブ賞とベストナインを同時受賞しました(独立リーグ出身の捕手によるGG受賞は史上初)。2025年も104試合・打率.262・41打点と2年連続で100試合を超えましたが、怪我の影響もあり打率はやや下降気味でした。今季2026年はDeNAで28試合・打率.227と不調が続いていました。さらに山本は国内FA権を来季中に取得する見込みで、来年流出のリスクがあり、価値が高いうちに対価を得る判断につながったと思います。
移籍後:ソフトバンクでは背番号39で再出発し、14試合・打率.349・2本塁打と早々に復調。先発マスクをかぶった13試合でチームは9勝4敗と、貢献度も高いものでした。ところが6月3日に左手首を痛め、左有鈎骨の疲労骨折で6月6日に登録抹消。好スタートから一転、離脱を余儀なくされています。
正捕手を放出した最大の理由が、トッププロスペクトの松尾汐恩(22)の存在になります。2022年ドラフト1位の強肩強打の捕手で、出場機会を着実に増やしてきました。2024年は27試合・打率.211だったのが、2025年は77試合・打率.250・4本塁打・18打点と一軍に定着。今季2026年も38試合・打率.257と、22歳の若さで正捕手を任せられる段階に到達しました。山本から松尾中心の体制へ移行する好機と、DeNAは判断したものと思われます。
尾形崇斗(27)は最速159km/hの剛腕です。
井上朋也(23)は花咲徳栄高で通算50本塁打を放った右打のドラフト1位のスラッガーです。
捕手は山本(27)が抜けても、松尾(22)を筆頭に古市・東妻・益子・九鬼と20代が層をなし、のびしろ十分な若い世代へ一本化されました。
さらにDeNAが課題とする右打の野手と先発の頭数に、井上(右の長距離砲・23)と尾形(先発挑戦中・27)が穴を埋めます。この二人と松尾が活躍することで、計算された良いトレードとなるのではないでしょうか。